1.はじめに
ヒト由来細胞・組織を加工した医薬品又は医療機器(以下「細胞・組織加工医薬品等」という。)の品質及び安全性を確保するための基本的な技術要件は、平成 20 年 2月 8 日付け薬食発第 0208003 号厚生労働省医薬食品局長通知(以下「ヒト(自己)由来細胞・組織加工医薬品等の指針」という。)及び平成 20 年 9 月
12日付け薬食発第 0912006号厚生労働省医薬食品局長通知(以下「ヒト(同種)由来細胞・組織加工医薬品等の指針」という。)に定められているところである。
本評価指標は、ヒト由来細胞・組織加工医薬品等のうち特に重症心不全等の治療を目的として心臓に適用されるものであって細胞シート状の製品について、上述の基本的な技術要件のうち当該製品に特有の留意すべき事項を示すものである。
2.本評価指標の対象
本評価指標は、重症心不全治療を目的として適用される細胞・組織加工医薬品等のうち特に細胞シート状の製品について、基本的な技術要件に加えて品質、有効性及び安全性の評価にあたって留意すべき事項を示したものである。重症心不全とは、一般に NYHA 分類でⅢ度以上のものをいうが、製品の適応疾患については、単に重症心不全とするのではなく、例えば、NYHA 分類でⅢ度以上、左室駆出率(LVEF)35%未満、心臓移植以外に治療手段がない等、既存の治療方法も考慮し、適切かつ具体的な基準を設定すること。
なお、開発する細胞シート製品が医療機器に該当するかどうか判断し難い場合は、必要に応じ、厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室に相談すること。
3.本評価指標の位置づけ
本評価指標は、技術開発の著しいヒト由来細胞・組織加工医薬品等を対象とするものであることを勘案し、留意すべき事項を網羅的に示したものではなく、現時点で考えられる点について示している。よって、今後の更なる技術革新や知見の集積等を踏まえ改訂されるものであり、申請内容に関して拘束力を有するものではない。
製品の評価にあたっては、個別の製品の特性を十分理解した上で、科学的な合理性をもって柔軟に対応することが必要である。
なお、本評価指標の他、国内外のその他の関連ガイドラインを参考にすることも考慮
すべきである。
|